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四竈公子 展
◇掲載図版:四竈公子 『石畳U(上野地下道)』 1989年 油彩 フィリア美術館蔵


四竈公子(しかまきみこ)

1935年 茨城県多賀郡大津町(現・北茨城市)生まれ。
子どもの頃から、絵を描くことに親しむ。

図画の時間は、お手本があって、それを写すことだった。それが苦手で、良い成績はとれなかったが、描くことは好きでいつも雑記帳にいろんなものを描いて、ひとり遊びをしていた。
学校で絵具を初めてわたされ、焼け野原を写生した。その絵を先生が「絵とは、このように思ったまま感じたままを描くものだ。見たままを描くなら、今の時代は写真でいいのだ」といって、みんなに見せた。それから積極的に描くようになった。

高校在学中、キリスト教と出会い、下北沢ナザレン教会で洗礼を受ける。

経済的事情等から美大進学をあきらめ、就職。

子ども向け出版社での仕事のかたわら上野地下道の浮浪者や上野や浅草に住む貧しい人びと、売春婦等への医療伝道を手伝う。

明治学院大学社会福祉学科社会福祉コースに学ぶ。

結婚、出産を経て、少しずつ油絵を描きはじめ、武蔵野美術大学短期大学美術科(通信教育)に学ぶ。夏のスクーリングには、子どもを連れての登校もしばしばだった。

1984年 銀座ギャラリータカノで個展開催(2000年まで)
団体に属さず、個展のみで作品を発表。

1998年 画集刊行。

近年の展覧会
2010年 梅野記念絵画館(長野県東御市) 
2010年 すどう美術館(神奈川県小田原市)  
2009年 砂丘館(新潟県新潟市)
フィリア美術館で特別展開催は、1998年、2005年、2015年、2019年につづき五回目。


「なまの果物や植物を置いておいて、乾いたり腐ったりしてくると初めて、あ面白いと思う。描きたくなるんです。しっとりとして連なってるものより、かさかさして孤立しているものをいつも意識していますね。華やかさを捨て欲望も捨て去ったとき、人も物も本当に輝くと思うんです。一つはずれたものをよく描きますが、構成上のことよりもう少し内面的な問題です。人通りの多い道じゃない、自分の見つけた小道を行き、自分にとって価値のあるものを見いだしたい。はずれた一つにこそ、私には意味がある。たとえば安定感のある絵、安心して見られる絵だけは描きたくない。せっかく絵という自由な仕事を選んだのですから、自分の道を行けばいい。競争心というものがないんです。比較の対象は昨日の自分しかありません」四竈 公子
1998年2月1日 読売新聞 日曜版 絵は風景(芥川 喜好)より



四竈公子 展

会期 2024年7月20日(土)〜9月23日(月)
開館時間 10:00〜17:00
休館日 火曜 ・水曜・木曜
8/17(土) 9/1(日) 
入館料 一般500円 小中学生300円
(障がい者手帳割引あり)
*その他の展示作品*
ケーテ・コルヴィッツ(銅版画・木版画・ブロンズ彫刻等)
ミエチスラフ・コシチエルニアク(銅版画等)
収蔵品からのセレクション



 

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