渡辺眸 略歴
渡辺眸(わたなべ ひとみ)
東京都生まれ。明治大学、東京綜合写真専門学校卒業。
1968年、卒業時の制作展で「香具師の世界」を発表、その後も撮り続けて『アサヒグラフ』『写真映像』に作品が掲載される。同じ頃、ベトナム戦争や国際反戦デーなど若者たちのパワーみなぎる新宿の街や、全共闘ムーブメントの中心・バリケート封鎖された東京大安田講堂を内側から撮影、独自の視点で1970年前後の都市と人々の空気をフィルムに焼きつける。
1972年、アジア各国に旅立つ。あらゆるものが混在したまま受容されるインドやネパールの風土と文化に惹きつけられ、魂の源郷と感じてしばらく暮らす。以後、幾度かにわたって行き来を繰り返し、1983年、インド・ネパールでの魂の軌跡をまとめた写真集『天竺』を発表。
森羅万象あらゆる命あるものへのメッセージとしてスピリチュアル・ドキュメントを軸に写真にとりくみ続けている。対象に対して素のままの自分をさしだす渡辺眸の作品世界は、猿に対しては自身が猿になって撮っているかのようだと評された。
東京在住。
写真展
1985年 『天竺』ツァイトフォトサロン(東京 日本橋)
1994年より 『猿年紀』巡回展 ツァイトフォトサロン、ガーディアン・ガーデン(銀座)、ぎゃらりートラックス(山梨)、湯布院美術館(大分)、ぎゃらりーississ(京都)
1995年 『水の呼吸 -Breath of Water 』 Egg Gallery(渋谷)
1997年より 『西方神話』巡回展 WTCミュージアム(大阪)、新宿コニカプラザ、札幌コニカ、ぎゃらりートラックス(山梨)
2001年より 『Lotos』巡回展 Egg Gallery(渋谷)、ぎゃらりーississ(京都)、聴潮閣(大分)、ギャラリー森呼吸(山梨)、花吹雪(伊豆)、ちめんかのや(東京)、他
2004年 『てつがくのさる』展 町家ぎゃらりーやまだ(京都)、小破美術館(伊勢市)
2007年 『全共闘の季節』展 銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロン
2008年 『全共闘の季節』展 ぎゃらりーississ(京都) 『Lotos』展 町家ギャラリーやまだ(京都)
写真集
『天竺』(野草社.1983)
『モヒタの夢の旅』(偕成社.1986)
『猿年紀』(新潮社.1994)
『西方神話』(中央公論新社.1997)
CD-ROM写真集『西方神話』(デジタローグ.1998)
『ひらいて、Lotus』(出帆新社.2001)
『てつがくのさる』(出帆新社.2003)
『東大全共闘1968〜1969』(新潮社.2007)
他
パブリック・コレクション
東京都写真美術館、egg Gallery、ツァイトフォトサロン |