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大坪美穂展にむけて 作品の搬入作業をしました

2010 年 6 月 23 日 水曜日

大坪美穂さんのお住まいは東京ですが、作品の多くは八ヶ岳のアトリエで制作しています。
昨日は森の中のアトリエとフィリア美術館を4tトラックで2往復。作品の搬入作業をしました。

直径1.2メートル、長さ4メートルの棒状に梱包された『海界』

直径1.2メートル、長さ4メートルの棒状に梱包された『海界』

7月2日(金)まで休館して展示作業をいたします。
フィリア美術館は20年目をむかえますが、今回の展示は初めての試みに満ちています。どのような展示空間がうまれるのか・・・どうぞお楽しみに。


大坪美穂展 海界(うなさか)2010
-インスタレーションを中心に-

2010年 7月3日(土)〜9月26日(日)

『大坪美穂展 海界2010 -インスタレーションを中心に-』は、『海界』をメインに『黒いミルク』『サイレント・ヴォイス』という三つのシリーズで構成。2008年に高知県の香美市立美術館で発表されたものを基本とし、この度フィリア美術館の第一展示室の木造空間にあわせて新たに展開したものです。

さまざまな感覚を誘発するインスタレーションを、ぜひ体感してください。
インスタレーションとは、絵画・彫刻というのと同じ表現方法の一つです。期間と場所を限定して作者が出現させた光景を体感するもので、展覧会が終わると作品は解体されます。

大坪美穂さんは平面から立体まで、「平和」や「いのち」をテーマに創作しています。東京在住。


7月31日(土) 午後2時
アーティスト・トーク 美術評論家 光田由里氏をむかえて
参加費1,000円(入館料込)

展示会場で作品をご覧になりながら、美術評論家の光田由里さんとともに大坪美穂さんにお話をうかがいます。
作品がどのように生みだされたのか、作品にこめた作者の想いを知る機会となりましょう。


8月7日(土)午後2時〜
ワーク・ショップ 「祈りのかたち」布玉づくり
参加費 一般800円 小中学生500円(入館料込)
持参していただくもの:古着、ハサミ

大坪美穂さん指導のもと、「サイレントボイス」シリーズの展示の一部となる「布玉」を制作します。
手ずから形づくることで想いを伝える体験をしていただきます。表現を通して自分を解放し他者への理解を深めるきっかけとなりましょう。

「身につけていた古着、身近な家族の遺品の衣類等も持ち寄りその方たちを偲びながら「祈りのかたち」の布玉を作り、展覧会の作品作りに参加していただくことで、平和祈念のメッセージを共に発信していきたいと思います。さまざまな年代の方に一人でも多く参加していただきたいと思っております。」(大坪美穂)


『新郷笙子・墨象展』

2010 年 6 月 18 日 金曜日

ご近所のギャルリーアビアント(小淵沢町)で開催中の『新郷笙子・墨象展』を見てきました。
新郷笙子さんは織りや染めをはじめ、カテゴライズしにくい自由な創作活動をしていますが、今回の展示は屏風などに「暦のことば」を墨象で表現した作品です。

新郷さんはすこやかでしなやかな方です。
久々にゆっくりお話しました。表現することについて、日々のなかで感覚をいかに澄ましていくか・・・などなど。襟を正す思いがしました。

左:2003年にフィリア美術館で開催したときの案内カード 右:ギャルリーアビアントで開催中の『新郷笙子・墨象展』案内カード

左:2003年にフィリア美術館で開催した『墨・紙 新郷笙子展』案内カード 右:ギャルリーアビアントで開催中の『新郷笙子・墨象展』案内カード

カメラを忘れました。ご案内カードの掲載でご容赦ください。素敵な作品とギャラリーの様子は、ぜひお出かけになって直接ご覧ください。7月5日まで(金・土・日・月開廊)です。

『風の孤独 四竃公子展』を見てきました

2010 年 5 月 30 日 日曜日

先日、梅野記念絵画館で開催中の『風の孤独 四竃公子展』を見てきました。フィリア美術館の所蔵品も数点出品しています。
わたしがお邪魔した5月22日は、四竃公子さん*1と大倉宏さん*2によるギャラリートークが開催され、四竃さんの生い立ちもふくめ、絵を描くことのはじまり(本格的に絵筆をとったのは30歳代後半のことですが、四竃さんの内側には自分が描くべき「絵」があり続けたのです・・・)など、貴重なお話しをうかがうことができました。

四竃公子画集、本展図録、ちらし

四竃公子画集、図録、ちらし

四竃公子さんの描くモチーフは、枯れた花(いわゆるドライフラワーではありません)や、時を逸した果物、荒れ果てた大地などなど。なかでも今回の展示は、風景に焦点があてられていました。

ものが枯れるといったことは、当たり前の、日々ありきたりのことです。わたしは台所周辺でよく見慣れています(笑)。
しかし、大抵じっと見たりはしません。
まして絵になるとは思っていない。心をひらいていません。
しかし、四竃さんはそうしたものに出会ったとき、ちゃんと心がはたらいて一瞬にして自分の内側に何かを深く刻むのです。そしてその何かを時間をかけて油絵に仕上げる・・・。
なんだか、
四竃さんによって絵になってあらわれたそれらを、わたしも知っていると思うのでした。横着な言い様ですが。
こうしている今も刻々と生きて老いていくのだと自覚するは淋しいけれど、四竃さんの絵の中のひまわりや古代梨のようにきれいに風化していけたら・・・と、ちょっと背筋が伸びたような凛とした気持ちになります。

駐車場から木漏れ日の中を少し歩きました

駐車場から木漏れ日の中を少し歩きました

梅野記念絵画館は、長野県東御市(とうみし)の浅間山を望む一帯にある芸術むら公園の中にあります。宿泊施設や温泉、登り窯もあるそうですよ。広々とした芝生や木々に囲まれ、おおきな池の畔に建っています。

芝生でくつろぐカモたち

芝生でくつろぐカモたち

主なコレクションは青木繁をはじめ、近代日本洋画を中心としています。ホームページを拝見すると特別展、ワークショップなどもいろいろ企画されているようですね。

四竃さんの深い色あい、ぜひ間近にご覧ください。
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*1 四竃公子(しかまきみこ)
1935年、茨城県生まれ。いったん就職の後、明治学院大学文学部社会学科福祉コース卒業。子育てをしながら独学で油絵を描きはじめる。武蔵野美術短期大学美術科(通信教育)卒業。個展を中心に活躍。無所属。

*2大倉宏(おおくらひろし)
1957 年、新潟県生れ。東京芸術大学美術学部芸術学科卒業。1985~1990年、新潟市美術館学芸員。以後フリーとして、新潟を拠点に美術評論を 行う。著書に『東京ノイズ』(アートヴィレッジ 2004)、共著に『越佐の埋み火』(新潟日報事業社 1996)、編集・構成に『洲之内徹の風景』(春秋社 1996)。現在(2007年10月)、新潟絵屋代表、砂丘館館長。

  
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