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宇梶静江展 at新潟

2013 年 6 月 4 日 火曜日

 

新潟絵屋で開催されている『宇梶静江展』を拝見しに、新潟へ出かけました。

 


 

『宇梶静江展』
6月2日~10日 午前11時~午後6時(最終日は午後5時)
会場:新潟絵屋(新潟市中央区上大川前通10番町1864 TEL&FAX 0252226888)

 

昨年の水と土の芸術祭に展示された、宇梶静江さんのフクロウの刺繍はすばらしかった。特に展示室入口の掛け軸の、もりあがった糸が、フクロウの体を包む羽そのものので迫力があった。
宇梶さんの古布絵(こふえ)※による絵本『シマフクロウとサケ』では、カムイ(神)であるフクロウが柄杓で海水を干上がらし、満たす。生きているのは森の野生動物であり、心に壮大な神話や物語や世界観を生み出す精神生物でもあるフクロウだ。木の根や幹や枝が変じたような力強い糸の表情に、宇梶さんが復権に尽力してきたアイヌ文化が、ヤマトが北に追い、抑圧してきた森の文化の血を引いていることを強く感じた。
80歳になるその宇梶さんに、無謀にも新作の個展をお願いした。仕上がってきた刺繍の翼の生命感と気品に息をのんだ。その芸術家魂の底から北の森や海や川の、それらと共に生きてきた人(アイヌ)の心の声が聞こえてくる。(大倉 宏)
※古布絵:アイヌの伝統刺繍をベースに古布と糸で作られた作品。

新潟絵屋公式サイトより


 

まず、市内の本屋さん・北書店で開かれたオープニング・イベント『宇梶静江トーク アイヌ(人間)を語る』に参加しました。
80才を迎えられた宇梶さん。
これまでの歩みとこれからの夢を熱く語られる姿は、以前お会いした時と変わらずに若々しく、
美しいものが大好きで、一生懸命に小さな人や弱い人の力になろうとしておられる様子が伝わってきました。

 

宇梶静江『神さまの鳥 カムイチカプ』 フィリア美術館所蔵

宇梶静江『神さまの鳥 カムイチカプ』
フィリア美術館所蔵

 

絵屋に飾られた宇梶さんの新しい作品は、全部フクロウがモチーフです。

展示の様子→新潟絵屋のブログ

ぜひご覧ください。

 


 

宇梶静江(うかじ しずえ)
■ 1933年北海道浦河郡アイヌの家庭に生まれる。20歳で中学を卒業後東京に行き苦学。結婚後は東京に来るアイヌのウタリの面倒を見ながら2児を育てる。 72年朝日新聞にアイヌの連帯を呼びかける投書をし反響を呼ぶ。アイヌの権利獲得の活動に挺身する。60歳をすぎてアイヌ刺繍を学び直し、和服ちと刺繍に よる古布絵でアイヌの精神世界を描く作品制作を始める。古布絵による絵本に『シマフクロウとサケ』『セミ神さまのお告げ』『トーキナ・ト』(いずれも福音 館書店)。2011年吉川英治文化賞受賞。水と土の芸術祭2012(新潟市)に参加。

 


 

宇梶静江絵本原画展示
2013年 6月3日~9日 午前10時~午後8時
(6月8日 午後12時~ 6月9日 午後12時~3時)
会場:北書店(新潟市中央区医学町通2番町10-1ダイアパレス医学町101 TEL&FAX0252017466)

未刊行の絵本原画1点を展示します。
なお6月13~30日に新潟絵屋での展示作品の一部を北書店でも展示します。

 


 

『渡辺隆次 生命曼荼羅』を見てきました

2012 年 4 月 7 日 土曜日

先日、八ヶ岳美術館(長野県諏訪郡原村)で開催中の展覧会『渡辺隆次 生命曼荼羅』を見てきました。

 

八ヶ岳美術館の入り口 この日は雪が降っていました

八ヶ岳美術館の入り口 この日は雪が降っていました

 

エッセイ『きのこの絵本』『山のごちそう』『八ヶ岳 風のスケッチ』(ちくま文庫)の挿画とともに、胞子紋シリーズや最近の作品(墨絵や屏風など)もあり、盛りだくさんな内容です。
特に目をひいたのは屏風に仕立てられたキノコたち。かつて当館で展示させていただいた(1999年9月10日~5月30日開催『渡辺隆次[さし絵]展 ―八ヶ岳 山里の博物誌― キノコ・野の花・山菜』)際には一点ずつ額装していた作品が一つの画面に幾枚も張り巡らされ、胞子紋等がちりばめられて別の表情に。懐かしい人の知らない側面を見たような切なさと、新しい清々しい気持で見とれました。

八ヶ岳美術館は村野藤吾氏設計の「連続半円ドーム形の構造は曲線を多用したデザイン」(八ヶ岳美術館ウェブサイトより)です。
玄関からまっすぐ進んでたどり着く小部屋は、ふわふわとやわらかくひろがって閉じる不思議な密やかさがただよっていて、『虫送り』シリーズなどの渡辺さんの作品のかわいた清潔さが堪能できました。

 

美術館の周囲の林でメインコレクションの清水多嘉示氏の屋外展示も楽しめます

美術館の周囲の林でメインコレクションの清水多嘉示氏の屋外展示も楽しめます

 

フィリア美術館の所蔵品も9点出品しています。
どうぞお出かけください。

 

『渡辺隆次 生命曼荼羅』展チラシ

『渡辺隆次 生命曼荼羅』展チラシ

 

以下、展覧会の情報を八ヶ岳美術館のウェブサイトから引用しました。

 


 

『渡辺隆次 生命曼荼羅』
生命は一刻とその形を変え、一瞬として同じ姿であることがなく、
急速に成長したかと思えば朽ち果て、しかしそれは新たな命の始まりでもある―。
■会期:2012年4月3日(火)~2012年6月3日(日)』

 


 

細密なタッチと圧倒的な迫力で幻想絵画を描いてきた渡辺隆次は、1977年に山梨県長坂町(現北杜市)にアトリエを構え、八ヶ岳山麓での暮らしを始めました。まだ昔のたたずまいの残る山里で暮らしながら制作を続けるうち、画家は次第に自らがおびただしい数の生命に囲まれて生きていることに気付きます。特に、ある日庭にひょっこりと顔を出していた「きのこ」との出会いによって、画家は生命の不思議に開眼したと言ってよいでしょう。
生命は刻一刻とその形を変え、一瞬として同じ姿であることがなく、急速に成長したかと思えば朽ち果て、しかしそれは新たな命の始まりでもある―。夢中で続けた「命の姿」のスケッチは、後に『きのこの絵本』ほか画文集3部作へと結実しました。そしてその作風はなおも変貌を続け、近年は冬枯れの庭を題材にした墨と和紙による写生絵巻や屏風、きのこの胞子で文様をつける胞子紋の連作に取り組んでいます。立ち枯れのリンドウを「美しい」と屏風に描く渡辺隆次は、侘び寂びにも通じる美的感覚と生命観を、自らの経験からしぜんと手にし、表現しているのかもしれません。

本展では、エッセイの代表作である『きのこの絵本』『山のごちそう』『八ヶ岳 風のスケッチ』の挿画を文章とあわせて展示し、画と文、両方の世界観をお楽しみいただくとともに、近作である墨絵作品、胞子紋シリーズを展示し、山里で制作を続ける孤高の画家が今現在向かい合っている表現をご紹介します。
画家によって描かれたひとつひとつの「命の諸相」を通して、私たちは宇宙の縮図=曼荼羅のように、より包括的な生命に気付くことができるかもしれません。生命の不思議に満ちた、独自の世界をお楽しみください。

 


 

渡辺隆次渡辺隆次(わたなべ・りゅうじ)
1939年東京八王子に生まれる。武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)本科・西洋画卒業、東京学芸大学養護科修了。1977年から八ヶ岳山麓長坂町のアトリエで制作を続ける。1992年より1999年まで武蔵野美術大学特別講師。エッセイストとしても活躍し、主な著書に『きのこの絵本』『山のごちそう』『八ヶ岳 風のスケッチ』(以上ちくま文庫)がある。2000年、武田神社(山梨県甲府市)菱和殿に山梨の草木禽獣などを描いた120枚の天井画を奉納、あわせて画文集『花づくし実づくし―武田神社菱和殿天井画―(全3巻)』(木馬書館)を上梓。2006年には武田神社能楽殿 甲陽武能殿の鏡板を手がける。今もなお画・文の制作を精力的に続ける。

 


 

関連イベント
■作家によるギャラリートーク
4月29日(祝)14:00~
八ヶ岳南麓での暮らしと自身の世界観について、自作解説を交えてお話しいただきます。
参加費:無料(入館料別途)

■武田神社菱和殿天井画見学会
5月27日(日)13:00~
甲斐の動植物が描かれた壮大な天井画を渡辺隆次さんと共に見学します。
参加費:1,000円(入館料含む)
要予約
※バスで現地まで移動します。開始時刻までに八ヶ岳美術館にお集まりください。

■きのこ×アート ワークショップ「胞子紋で絵を描こう」
4月15日(日)、5月26日(土)14:00~
きのこのかさから落ちてくる胞子が作り出す不思議な「胞子紋」で絵画作品を作ります。参加者には2日目にきのこ汁のサービスつき。
参加費:1,000円(入館料含む)
両日とも参加できる方が対象、要予約。
[5月5日(祝)13:00~]
渡辺さんからきのこのお話を聞きながら、実際に胞子紋をとってみます。
[5月6日(日)13:00~]
一晩たってできた胞子紋に絵やスタンプを加えて作品を完成させます。

仙人小屋できのこ料理を堪能しました!

2011 年 8 月 5 日 金曜日

某日、仙人小屋に行ってきました。
『森のきのこ展 ―小林路子・美しい菌類画の世界』にご来館になるキノコ愛好家のお客様たちから評判をアレコレうかがって、ずっと行ってみたいと思っていたのです。

仙人小屋は、フィリア美術館から車で20分ほどのご近所にある、お食事処です。
霧につつまれた八ヶ岳高原ラインをくねくねと走って辿りつきました。まさしくその名にふさわしい野性的で素朴な佇まいです。
まず、イノシシの桃太郎さんに出迎えられました。

イノシシの桃太郎さん

イノシシの桃太郎さん

そして念願の、きのこの天ぷら定食をいただきました。噂通りの!山盛りです!!

きのこの天ぷら定食

きのこの天ぷら定食

さくさくの衣に包まれた何種類ものきのこたち。私にはそれぞれの種を同定することはできませんが、どれもとても美味しくいただきました。
セルフサービスのお茶は、ニッキ、カリン、センブリ、カラマツなど珍しいものばかり。薬缶にたっぷり用意されていました。おそるおそるセンブリ茶をいただきました。・・・かなり苦かったです。

相当なボリュームですが、食べきれなかった分を備え付けのパックでお持ち帰りすることが出来ます(パックご利用の方は‘お志’を募金箱に)。

仙人つながりということで『森のきのこ展 ―小林路子・美しい菌類画の世界』のご案内ハガキを置かせていただきました。(小林路子さんは、仲間内で仙人と呼ばれています。‘仙’とサインの入った作品もありますよ。)
仙人小屋のきのこ料理を舌で味わい、フィリア美術館で小林路子さんのきのこの絵を目で味わう!!八ヶ岳南麓ドライブ、オススメです。

 

仙人小屋
住所 = 〒409-1501 山梨県北杜市大泉町西井出6924-2
電話 = 090-8812-9958

仙人小屋 山梨県北杜市大泉町西井出6924-2

  
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