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山の三月 東風吹いて

2010 年 3 月 20 日 土曜日

長いお休みをいただいていましたが、今日からフィリア美術館は新季開館いたしました。

今日の小淵沢は陽射したっぷり!うららかな陽気ですよ。
八ヶ岳南麓は日照時間が長いことでも知られています。
テラスからの眺めを写してみました。

kaikoma

甲斐駒です。すっかり遠のいて見えますね。

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豊かな枝振りの樅と、満開の梅。

当記事の表題は、童謡「どこかで春が」の三番の歌詞からいただきました。

どこかで春が 生まれてる
どこかで水が 流れ出す

どこかで雲雀(ひばり)が鳴いている
どこかで芽の出る 音がする

山の三月 そよ風吹いて
どこかで春が 生まれてる

(作詞:百田宗治・作曲:草川信)

空気にも土にも樹木にも・・・ぞくぞくと春を感じる今日の気分にぴったりの歌です。
最近は「東風(こち)」の部分を「そよ風」と歌う場合の方が多いようですね。

*写真の景色は借景です。柵や看板などはありませんが、よそ様の「畑」ですので立ち入りはご遠慮くださいね。

せっせっせーのよいよいよいっ

2009 年 8 月 14 日 金曜日

アンキさん*1の作品に、蓄音機の傍らで直立して歌っている『自画像』(多色木版 1932年)があります。
両手をお腹に、口を縦に大きく開けて朗々と・・・、といった様子ですが
さて、どんな歌をうたっているのでしょうか・・・。

絵葉書を額装してみました。オリジナルは展示中ですよ。

絵葉書を額装してみました。オリジナルは展示中ですよ。

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ところで
様々な書物からアンキさんの人となりを知るにつけ、思い出される歌があります。

お寺のおしょうさんが
かぼちゃの種を まきました
芽がでて ふくらんで
花が咲いたら
ジャンケンポンッ

という遊び歌です。
(二人一組で向かいあって、お互いの手を打ち鳴らしながら歌います。「芽がでて」以降は両手を祈るようにあわせ、種から花へと変化する振り付けがあり、最後にジャンケンの勝負!という遊びです。歌詞は地方によって時代によって、かぼちゃは花を咲かせた後、枯れたり実をつけたり転がったり・・・といういろんなバージョンもあるようですが、上の五行がだいたい基本となります)

アンキさんの生家はお寺と縁が深く、彼は仏教系の中学校へ通っていました。
また、手作りの掘っ立て小屋で暮らした最晩年には、飢えをしのごうとかぼちゃの種をまいて育てていました。
八坂喜代さん*2 のお話によると、アンキさんは毎日毎日かぼちゃ畑に座り小さく結んだ実をニコニコと嬉しそうに数えては、かぼちゃの実が熟れる9月を心待ちにしていたのだそうです。「これからは草ばかり食べずにすみます。もう大丈夫です。」 しかし、そのかぼちゃを口にすることなく、1946年9月9日、栄養失調のために衰弱死しました。(太宰治の「桜桃忌」のように、アンキさんの命日の9月9日は「かぼちゃ忌」と呼ばれたりもしているとか・・・)。

かぼちゃの花

かぼちゃの花

いま、小淵沢周辺の畑では、かぼちゃの黄色い花が咲いているのを見かけます。
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ちょうど実が熟れる頃、アンキさんの作品に囲まれながら、酒井俊さんがさまざまな歌をうたってくださいます(9/27 LIVE! 酒井俊)。こちらもお楽しみに!
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*1 アンキさんとは、谷中安規(たになかやすのり 1897-1946) のことです。勝手ながら親しみを込めて呼ばせていただいております。

*2 八坂(旧姓 佐瀬)喜 代さんは、アンキさんの最期を看取った方です。このときの様子は、先月発売された『谷中安規の事』( 八坂喜代・著 限定1,000部発行 たけしま出版 )に詳しく書かれています。八坂さんには、フィリア美術館のイベント『ギャラリートーク 谷中安規をめぐって』でも、たくさんの貴重なお話を聞かせていただきました。

気まぐれな空模様です

2009 年 7 月 25 日 土曜日

今日の八ヶ岳南麓のお天気は曇り、なのですが
ときどき陽がさしたり雨が降ったりしています。午後から開催される「ホースショー」(馬のパレードや花火大会など)、無事に開催できると良いですね。

ヤマユリ

ヤマユリ 美術館の玄関脇

フィリア美術館の玄関脇の小さな森では、ヤマユリが強烈な芳香とともに存在感をはなっています。球根を植えた覚えはないのですが・・・。いつの間にかあちこちから顔を出すようになりました。
上の写真のヤマユリ。煉瓦の小径を塞ぐようにして生えてきていますが、ここを通りぬけるのには神経をつかいます。真っ赤な花粉が衣類についたら大変ですからね。

晴れの日の木陰はひっそりしていて、光に目が眩んでいるせいかよく見ようとしなければ目につきませんが、今日のように曇っているからこそ浮かび上がって見えてくる景色があるように思います。
美術館はお天気に関係なくご覧になれますが、さまざまな空模様、心模様で違った作品に感じられるかもしれませんね。

谷中安規展開催中
今日はギャラリートークです!

  
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