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『渡辺隆次展 山里に広がる生命の宇宙』 新潟 角田山妙光寺

2013 年 9 月 3 日 火曜日

 

渡辺隆次さんの展覧会が、今秋、新潟で開催されます。
フィリア美術館からも所蔵品〈きのこの胞子紋〉シリーズなど数点の出展を予定しています。

 


 

『渡辺隆次展 山里に広がる生命の宇宙』

 

都会生活から離れ、山梨県の八ヶ岳山麓をアジール(避難所)として30年以上の生活を続けてきた画家・渡辺隆次の、山麓で出会った生命の不思議を造形した作品の数々。屏風、絵巻ほか約20点を築300年の古刹の客殿に展示。

  • 会期 : 2013年10月10日(木)~11月4日(月・祝)
  • 開館時間 : 10:00~17:00(10月20日(日)は16:00まで)
  • お休み : 月曜日(10月14日、11月4日を除く)、火曜日、10月18日(金)
  • 会場 : 角田山妙光寺 客殿  (新潟市西蒲区角田浜1056 TEL.0256-77-2025) 入場無料

角田山妙光寺は・・・
佐渡に流罪になった日蓮が強風で 漂着したゆかりの聖地に、今から700年前の正和2(1313)年に創建された古刹。創建後二度の火災に遭い、宝暦14(1764)年に再建された旧本堂は、230年の風雪と水害で老朽化が進み、平成 13(2001)年に一新。同じ年数を経てきた客殿(書院)は、昭和56(1981)年に鞘堂の形式で保存された。回廊に囲まれた広い院庭は、祭礼や芝居 などの行事に大勢の人々で賑わう。平成1(1989)年、全国に先駆けて家族血縁による跡継ぎを必要としない墓『安穏廟』を開設した寺としても知られる。

角田山妙光寺のサイト → http://www.myoukouji.or.jp/

 


 

イベント at 妙光寺

 

『渡辺隆次さんと歩く角田山麓』

  • 日時 : 2013年10月13日(日) 10:00~13:00  *雨天の場合は14日(月・祝)に延期実施
  • 集合場所 : 妙光寺本堂前
  • 参加無料 : 定員15名(小学生以下は保護者同伴)
  • お申し込み : 新潟絵屋(新潟市中央区上大川前5218-1 電話025-222-6888)

 

『渡辺隆次 ギャラリートーク 自作を語る / 聞き手 大倉宏』

  • 日時 : 2013年10月14日(月・祝) 15:00~16:30
  • 会場 : 角田山妙光寺 (新潟市西蒲区角田浜1056)
  • 参加料 : 500円  *申し込み不要(直接おいで下さい)

 


 

同時開催の小品展 at 新潟市内

 

『渡辺隆次 展』 *新作の小品を展示 at 新潟絵屋

  • 会期 : 2013年10月12日(土)~20日(日)11:00~18:00(最終日~17:00)
  • 会場 : 新潟絵屋 (新潟市中央区上大川前5218-1 電話025-222-6888)
  • 新潟絵屋のサイト → http://niigata-eya.jp/

 

『渡辺隆次 展』 *新作の小品を展示 at 北書店

  • 会期 : 2013年10月22日(火)~30日(水)10:00~20:00(土・日12:00~)
  • 会場 : 北書店 (新潟市中央区医学町通二番町10-1 ダイアパレス医学町101 電話025-201-7466)
  • 北書店のサイト → http://kitashoten.net/

 


 

この他にも、会期中、展覧会場で、イベントが催されます。
『ASYL 新潟公演 角田山妙光寺  アジ―ル/生きる場所―絵画・映画・舞踏・江戸唄による』
アジールサイト → http://www.jcdn.org/~dmm5/2013/niigata.html

詳細は、新潟絵屋のサイトにまとめられていますので、ご覧ください。

 


 

渡辺隆次『山里に描き暮らす』(みすず書房)

2013 年 9 月 3 日 火曜日

 

渡辺隆次さんのエッセイ『山里に描き暮らす』が、みすず書房から刊行されました。
〈大人の本棚〉シリーズの中の一冊です。

 

渡辺隆次『山里に描き暮らす』(みすず書房)

渡辺隆次『山里に描き暮らす』(みすず書房)

 

 

「この地に住まう者なら、獣とならび、刈っても伐ってもたちまち生えてくる草木の獰猛性に、一目も二目もおくはずだ。そんなことを身に滲みて感じるのも、 三十六年余にわたって山麓の変遷を、日々目にしてきたことにもよるのだろう。寄る年波からつい来し方行く末に思いがゆく。その結果自らの、よって来たる源あたりまでをまさぐり、埒もない多くを書き連ねてきた。八ヶ岳山麓といえば、いまや観光公園化して広く喧伝されるが、それがイメージさせるのとはやや異にした、インドアライフといった向きで、このエッセイ集を編んでみた。」(あとがき)

画文集『きのこの絵本』『山のごちそう』などでエッセイストとしても人気の絵描きが、消費とも生産とも無縁な「居候」としての人生を書き下ろす自由な文集。
みすず書房より

 

 

画家・渡辺隆次さんが、八ヶ岳南麓に暮らし、作品を製作しながら、感じたこと、思い出されたこと…などなどが綴られています。

渡辺さんとは、フィリア美術館の開館以前から交流させていただいていますが、文中、館の様子も触れてくださっています。
(フィリア美術館は1990年9月開館しました)

 

また、挿画として、〈胞子紋〉(きのこの胞子で描かれた紋様)の作品が、二点収録されています。

 

フィリア美術館でも取り扱っています。
サイン付き!

ぜひお手元に。

 


 

渡辺 隆次(わたなべ りゅうじ)
1939年東京八王子に生まれる。武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)本科・西洋画卒業、東京学芸大学養護科修了。1977年から八ヶ岳山麓長坂町のアトリエで制作を続ける。無所属。作品発表は主に個展。1992年より1999年まで武蔵野美術大学特別講師。エッセイストとしても活躍し、主な著書に『きのこの絵本』『山のごちそう』『八ヶ岳 風のスケッチ』(以上ちくま文庫)がある。2000年、武田神社(山梨県甲府市)菱和殿に山梨の草木鳥獣な どを描いた120枚の天井画を奉納、あわせて画文集『花づくし 実づくし―武田神社菱和殿天井画』全3巻(木馬書館)を上梓。2006年には武田神社能楽殿甲陽武能殿の鏡板を手がける。『山里に描き暮らす』(〈大人の本棚〉みすず書房、2013)。
書籍掲載のプロフィールより

 


 

『渡辺隆次 生命曼荼羅』を見てきました

2012 年 4 月 7 日 土曜日

先日、八ヶ岳美術館(長野県諏訪郡原村)で開催中の展覧会『渡辺隆次 生命曼荼羅』を見てきました。

 

八ヶ岳美術館の入り口 この日は雪が降っていました

八ヶ岳美術館の入り口 この日は雪が降っていました

 

エッセイ『きのこの絵本』『山のごちそう』『八ヶ岳 風のスケッチ』(ちくま文庫)の挿画とともに、胞子紋シリーズや最近の作品(墨絵や屏風など)もあり、盛りだくさんな内容です。
特に目をひいたのは屏風に仕立てられたキノコたち。かつて当館で展示させていただいた(1999年9月10日~5月30日開催『渡辺隆次[さし絵]展 ―八ヶ岳 山里の博物誌― キノコ・野の花・山菜』)際には一点ずつ額装していた作品が一つの画面に幾枚も張り巡らされ、胞子紋等がちりばめられて別の表情に。懐かしい人の知らない側面を見たような切なさと、新しい清々しい気持で見とれました。

八ヶ岳美術館は村野藤吾氏設計の「連続半円ドーム形の構造は曲線を多用したデザイン」(八ヶ岳美術館ウェブサイトより)です。
玄関からまっすぐ進んでたどり着く小部屋は、ふわふわとやわらかくひろがって閉じる不思議な密やかさがただよっていて、『虫送り』シリーズなどの渡辺さんの作品のかわいた清潔さが堪能できました。

 

美術館の周囲の林でメインコレクションの清水多嘉示氏の屋外展示も楽しめます

美術館の周囲の林でメインコレクションの清水多嘉示氏の屋外展示も楽しめます

 

フィリア美術館の所蔵品も9点出品しています。
どうぞお出かけください。

 

『渡辺隆次 生命曼荼羅』展チラシ

『渡辺隆次 生命曼荼羅』展チラシ

 

以下、展覧会の情報を八ヶ岳美術館のウェブサイトから引用しました。

 


 

『渡辺隆次 生命曼荼羅』
生命は一刻とその形を変え、一瞬として同じ姿であることがなく、
急速に成長したかと思えば朽ち果て、しかしそれは新たな命の始まりでもある―。
■会期:2012年4月3日(火)~2012年6月3日(日)』

 


 

細密なタッチと圧倒的な迫力で幻想絵画を描いてきた渡辺隆次は、1977年に山梨県長坂町(現北杜市)にアトリエを構え、八ヶ岳山麓での暮らしを始めました。まだ昔のたたずまいの残る山里で暮らしながら制作を続けるうち、画家は次第に自らがおびただしい数の生命に囲まれて生きていることに気付きます。特に、ある日庭にひょっこりと顔を出していた「きのこ」との出会いによって、画家は生命の不思議に開眼したと言ってよいでしょう。
生命は刻一刻とその形を変え、一瞬として同じ姿であることがなく、急速に成長したかと思えば朽ち果て、しかしそれは新たな命の始まりでもある―。夢中で続けた「命の姿」のスケッチは、後に『きのこの絵本』ほか画文集3部作へと結実しました。そしてその作風はなおも変貌を続け、近年は冬枯れの庭を題材にした墨と和紙による写生絵巻や屏風、きのこの胞子で文様をつける胞子紋の連作に取り組んでいます。立ち枯れのリンドウを「美しい」と屏風に描く渡辺隆次は、侘び寂びにも通じる美的感覚と生命観を、自らの経験からしぜんと手にし、表現しているのかもしれません。

本展では、エッセイの代表作である『きのこの絵本』『山のごちそう』『八ヶ岳 風のスケッチ』の挿画を文章とあわせて展示し、画と文、両方の世界観をお楽しみいただくとともに、近作である墨絵作品、胞子紋シリーズを展示し、山里で制作を続ける孤高の画家が今現在向かい合っている表現をご紹介します。
画家によって描かれたひとつひとつの「命の諸相」を通して、私たちは宇宙の縮図=曼荼羅のように、より包括的な生命に気付くことができるかもしれません。生命の不思議に満ちた、独自の世界をお楽しみください。

 


 

渡辺隆次渡辺隆次(わたなべ・りゅうじ)
1939年東京八王子に生まれる。武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)本科・西洋画卒業、東京学芸大学養護科修了。1977年から八ヶ岳山麓長坂町のアトリエで制作を続ける。1992年より1999年まで武蔵野美術大学特別講師。エッセイストとしても活躍し、主な著書に『きのこの絵本』『山のごちそう』『八ヶ岳 風のスケッチ』(以上ちくま文庫)がある。2000年、武田神社(山梨県甲府市)菱和殿に山梨の草木禽獣などを描いた120枚の天井画を奉納、あわせて画文集『花づくし実づくし―武田神社菱和殿天井画―(全3巻)』(木馬書館)を上梓。2006年には武田神社能楽殿 甲陽武能殿の鏡板を手がける。今もなお画・文の制作を精力的に続ける。

 


 

関連イベント
■作家によるギャラリートーク
4月29日(祝)14:00~
八ヶ岳南麓での暮らしと自身の世界観について、自作解説を交えてお話しいただきます。
参加費:無料(入館料別途)

■武田神社菱和殿天井画見学会
5月27日(日)13:00~
甲斐の動植物が描かれた壮大な天井画を渡辺隆次さんと共に見学します。
参加費:1,000円(入館料含む)
要予約
※バスで現地まで移動します。開始時刻までに八ヶ岳美術館にお集まりください。

■きのこ×アート ワークショップ「胞子紋で絵を描こう」
4月15日(日)、5月26日(土)14:00~
きのこのかさから落ちてくる胞子が作り出す不思議な「胞子紋」で絵画作品を作ります。参加者には2日目にきのこ汁のサービスつき。
参加費:1,000円(入館料含む)
両日とも参加できる方が対象、要予約。
[5月5日(祝)13:00~]
渡辺さんからきのこのお話を聞きながら、実際に胞子紋をとってみます。
[5月6日(日)13:00~]
一晩たってできた胞子紋に絵やスタンプを加えて作品を完成させます。

  
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