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ダミアン原田さんのCD『土佐路律奏心旅』

2010 年 8 月 25 日 水曜日

ダミアン原田隆文さん*1から新しいCD『土佐路律奏心旅』が届きました。
心の襞にしみいるように奏でられるチェンバロ*2の音・・・。15曲が収録されています。

ダミアン原田『土佐路律奏心旅』

ダミアン原田『土佐路律奏心旅』

このCDは、1992年にフィリア美術館で録音・発売されたアルバム『魂の音を求めて〜原田隆文の世界』を再編したものです。
ジャケットは、当館収蔵のエルジビエタ・ガウダシンスカの絵本原画『平和の国』から、花嶋美代子さん*3の野の花の水彩画に、装いも新たになりました。

『魂の音を求めて〜原田隆文の世界』

『魂の音を求めて〜原田隆文の世界』

収められた楽曲のうち『土佐路律奏』組曲は、原田さんがかつて暮らした高知での四国八十八カ所をめぐるお遍路さんたちとの出会いから着想を得て作曲したものです。
そして『魂の音を求めて〜原田隆文の世界』のリリース間もなく、ヨーロッパへ渡られたダミアン原田さん。さらに多くの出会いを得て、芽生えた様々な絆に促されて復刻することを決意されたそうです。

とくに2007年までオルガニストをつとめられていたサント・マリー・マドレーヌ大聖堂(フランス・ブルゴーニュ地方のヴェズレーにあります。ユネスコ世界文化遺産)は、スペインのサンチアゴ・デ・コンポステラへの巡礼の出発点であり、多くの巡礼者の思いに心ゆさぶられたのだとか。

「・・・私を育て、助けてくれた方々へ感謝をこめて私の心の宝物を差し上げたい・・・。『土佐路律奏』は私自身を支えてくれた大切な曲です。この曲を一生懸命生きて逝かれた世界中の友への鎮魂歌として捧げます。」(ライナーノーツより抜粋編集)

ダミアン原田さんのCD『土佐路律奏心旅』は、当館で販売しています。

*1
ダミアン原田隆文さんは・・・
福岡生まれ。国立音楽大学付属音楽高校打楽器科を経て渡欧、イタリアローマ教皇庁立教皇庁立ウルバノ大学布教神学科、国際カルメル会・テレジア大学霊性神学科、サンタ・チェチリア音楽院・パイプオルガン・チェンバロ科終了。ルジェーロ・ジェルリン、タチアナ・ニコラエワ、パードレ・ポニバチオ、ジョルジュ・シフラに指導を受ける。
ヨローッパ伝統楽器、シターでは、1999年にリヨンにて行われた、フランス・シター協会主催の即興演奏コンクールに参加、一位を得る。北ブルゴーニュ音楽祭では、パイプオルガンにてムソルグスキーの展覧会の絵全曲を演奏する。パリ・マレークレチアン音楽週間では、サン・ジャルベ教会のクープランオルガンを演奏する。フランス国立ギメ美術館主宰のコンサートに出演。フランスのラジオ、テレビでの演奏にも多く出演。一時、国立高知大学人文学部、県立高知女子大学の非常勤講師を務める。日本では、東京芸術劇場バリオホール、岡山県立オリエント美術館にてソロ、アンサンブルで出演。国内、国外において数多くの CDを録音する(『奇跡の泉、ルルド〜聖母マリアへの祈り〜』シター演奏、『時を超えて COMPASSION』オルガン演奏など)。2007年夏まで、エルサレム修道会の修道士として、フランス・ブルゴーニュ地方のヴェズレーにあるサント・マリー・マドレーヌ大聖堂(ユネスコ世界文化遺産・スペインのサンチアゴ・デ・コンポステラへの巡礼の出発点)のオルガニストをつとめた。
東京在住。

2009年開催のコンサート『LIVE!インドの夢』でもコト・モノコードをはじめ多彩な楽器の演奏を披露してくださいました。当日の演奏の様子はこちら

*2
使用楽器は・・・
フランス1769年 タスカン モデル レプリカです。1991年に石黒武生さんにより復元されたものを用いています。

*3
花嶋美代子さんは・・・
武蔵野美術大学卒業。南米やヨーロッパ各地を旅する。現在は八ヶ岳在住。油彩・水彩・ガラス絵など多岐に渡る表現で絵画を制作。木工家の花嶋忍さんと‘ART&CRAFT 花嶋’(フィリア美術館のお隣さんです)を主宰。ちなみにフィリア美術館の展示室や喫茶室でつかわれている木製の家具のほとんどは花嶋忍さんによるものです。

カクさんとマルさん

2010 年 7 月 30 日 金曜日

きのうは久しぶりに雨がふりました。
たっぷり水をふくんだせいか、緑の色が一昨日とは違って見えます。

挿し木したソリダコから新芽が出ていました

挿し木したソリダコから新芽が出ていました

カシワバアジサイも

カシワバアジサイも

いっしょに見る人によっても景色は変わることがありますよね。
先日、覚和歌子さんと丸尾めぐみさんとともに大坪美穂さんの「海界」につつまれたとき、なんだか光の濃淡がより切実にはかなく美しく感じられました。影の中に影、そして光・・・。

お二人の最新の音盤*1 サインをいただきました

お二人の最新の音盤*1 サインをいただきました

覚和歌子さんと丸尾めぐみさんは、肩書きのようなものをうまく説明できないほど、詩作朗読歌唱作曲編曲器楽演奏・・・さまざまに活躍されています。フィリア美術館では、そうした多岐にわたる活動の中でも‘ポエトリックオペラ’*2を、これまでに2回、開催しました。

「大坪美穂さんの作品『海界』には、こよりが7,000本つかわれています」という私の説明を、「会期中、何回言うのかな」「きっと7,000回くらい言うんじゃない」とおっしゃったお二人。わたしはお二人がつくる歌が日常のふとした瞬間に浮かんできて、口ずさむことがこれまでに7,000回以上あったように思います。『夕焼けは星空のはじまり』*3も『真夏の振り子』*4もそれぞれいつも同じ何か、でも少し違う何かをもたらします。

また親密な空間で直にお二人の歌にひたりたいです・・・。

*1覚和歌子さんのセカンドアルバム『カルミン』2枚組CDと、覚和歌子さん谷川俊太郎さん共同監督の写真映画『ヤーチャイカ』DVD。音楽は丸尾めぐみさんが担当しています。当館でも販売していますよ。

*2覚和歌子・丸尾めぐみによる、歌・朗読とピアノだけの、最小単位の音楽朗読劇団。
言葉と音楽の究極の融合型を目指す。 ケータイ時代にうってつけのコンパクトでポータブルなパフォーマンス・ユニット。
覚によるテキスト/構成は、朗読物語詩の発展型とも言える。(覚さんの公式サイトより)

*3 『カルミン』には12曲目に収録されています。映画「ヤーチャイカ」主題歌。

*4 覚和歌子さんのファーストアルバム『青空一号』(2004年.ソニー)と、
丸尾めぐみさんのファーストアルバム『Vibrastar~恒星奏振器』(2004年.ブルーシティレコード)に収録されています。
上條恒彦さん(『お母さんの写真』2003年.EMIミュージック・ジャパンに収録)のバージョンも素敵ですよ。


覚和歌子さんの公認公式ファンサイト http://kaku-wakako.com/top.php

丸尾めぐみさんの公式サイト http://maruomegumi.jp/


秋の空を飛ぶような

2009 年 9 月 5 日 土曜日

peacecard展を開催していることもあり、毎日、郵便受けを覗くのを楽しみしています。
きのうは、ほんとうに飛び上がるくらいに嬉しい便りが届きました。
アトリエJUNからの秋の便り。
奥潤一郎さん*1 の作品が同封されていたのです。

モチーフはトンボでしょうか?ススキの穂をも思わせます

モチーフはトンボでしょうか?ススキの穂をも思わせます

2008年開催のフィリア美術館の企画展『奥潤一郎の世界』では、村田さち子さん*2 とのコラボレーション『JUN』の物語をはじめお魚シリーズなどを展示しました。
ペンの細やかな線やアクリル絵の具の大きく大胆な筆づかいなどで描写された、やさしくてたのしくてうつくしい世界。
奥潤一郎という描き手を通して再認識・新発見したことがたくさんありました。

この作品をただいまロビーに展示しています。
どうぞご覧になりにいらしてくださいね。

*1 奥 潤一郎 …… 福岡市に生まれる。奄美大島の青い海や鮮やかな魚たち、田中一村の作品に触発される。それらの鮮烈な印象は、のちに日本チャリティ協会カルチャースクール絵画コースで発揮されていく。原 榮三郎氏・津田 光郎氏に師事。2000年の東京都障害者美術展で、海シリーズ「えび」入選、以後「かに」01奨励賞受賞、「奄美の貝がら」02奨励賞受賞、奄美のさかな」04佳作受賞、「大きなさかな」05最優秀賞受賞(それ以後も毎年東京都障害者美術展において入選をはたす)。アートウォール・シビック展に応募。審査の結果、文京区役所シビック
センターに於いて個展『奄美夢幻』開催。『異才たちのアート展』に「奄美のさかな」出品。2007年に、八ヶ岳高原海の口自然郷の山荘にて「アトリエJUN」を主宰。絵画制作に専念。

*2 村田 さち子 …… 明治学院大学英文科卒業。作詞家、翻訳家。主な作品として、NHK音楽コンクール中学校課題曲「ミスターモーニング」ほか小・中・高課題曲。広島国民文化祭テーマ合唱組曲、NHK日本賞テーマ曲など。「ひらひらひら」「くいしんぼうおばけ」などNHKテレビ教育番組の歌、多数。教科書掲載曲多数。ミュージカル「リボンの騎士」「獅子の笛」ほか、オペラ「ごんぎつね」ほか、多数。ディック・ブルーナ「ミッフィー」ディズニーの絵本などの翻訳、執筆など多数。平成元年より幼児による合唱団「ひまわりキッズ」主宰。

  
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