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『聖書ものがたり絵本』全四巻完結記念ー小林豊原画展・聖書の世界を旅する

2013 年 9 月 5 日 木曜日

 

昨年2012年夏に当館で開催した企画展『風をえがく 小林豊展 絵本原画と日本画』で、お世話になった小林豊さんの、現在開催中の展覧会を拝見してきました。

『聖書ものがたり絵本』全四巻完結記念―小林豊原画展・聖書の世界を旅する です。

 

 

『聖書ものがたり絵本』全四巻完結記念ー小林豊原画展・聖書の世界を旅する

『聖書ものがたり絵本』全四巻完結記念ー小林豊原画展・聖書の世界を旅する

 

 

『聖書ものがたり絵本』(いのちのことば社 武井博/文 小林豊/画)シリーズ全四巻は、2010年に最初の作品が出版され、今年2013年に完結しました。
『聖書』が、わかりやく物語られている絵本です。

小林豊さんは、現地を取材して描いたそうですが、
天地創造の『無』の状態の表現は苦労されたのでは・・・。
しかし、『世界』があらわれる前の色あいと筆の動き、とても美しいです。
ぜひ原画をご覧ください!

 


 

会期 : 9月2日(月)~9月14日(土)

開場時間 : AM11:00-PM7:00 (日曜日のみ正午より)

会場 : tギャラリー 千代田区神田駿河台2-1 OCCビル5階

最寄駅 : 御茶ノ水駅

連絡先 : いのちのことば社 0353416911

 


 

文 / 武井 博(たけい・ひろし)
1936年生まれ。NHKに入局後、子ども番組、幼児教育番組の企画・演出に携わる。代表作は、「ひょっこりひょうたん島」、「おーい!はに丸」、児童文学作家として、『はらぺこプンタ』(講談社)、『いたちのコロッペ』(あかね書房)などの童話を出版。

 


 

画 / 小林 豊(こばやし・ゆたか)
日本画家。
1946年生まれ。日本画家。1979年、日展初出品で入選。1983年、「上野の森美術館」特別優秀賞受賞。 1970年代初めから80年代にかけ、中東・アジアをたびたび訪れる。その折りの体験をもとにした絵本で多くの読者を魅了している。 著書に、『せかいいちうつくしいぼくの村』(ポプラ社)、『ぼくは弟とあるいた』(岩崎書店)、『タタはさばくのロバ』(童心社)、『人にはどれだけの土地がいるか』『火は早めに消さないと』(フォレストブックス)ほか多数。

 


 

横井弘三の作品世界を旅してきました

2009 年 6 月 15 日 月曜日

諏訪市原田泰治美術館でおこなわれている企画展[信州が生んだナイーブアートの鬼才 横井弘三展](2009.4.22〜7.12)を観てきました。
知っているようで知らなかった横井弘三*1の世界。

フィリア美術館では、かつて横井弘三の作品を一点、展示したことがあります。
2004年に開催した企画展『絵雑誌 子供之友*2の世界 小さな窓から』において、婦人之友社からお借りした三十数点の原画の中の一つでした。

さまざまな個性がそろった魅力的な作品のなかでも、横井弘三の『のぞきめがね』(大正14年6月号)は、ひときわ異彩をはなっていました。終わりのない世界とでもいうべき奇妙さ。一見して読みとれる物語(起承転結や主役脇役といった、どの場面を誰を中心に描いているのか)や教育的なメッセージはないのですが、ただただ素朴なタッチと妙な味わいが楽しくて、お客様からの人気も高かったと記憶しています。

今回の[横井弘三展]では26点の作品が出品されていました。
図録や絵葉書がありませんでしたので、きっちり自分の目に入れて心の中にちゃんと納められるように、じっくりしっかり拝見しました。
「横井弘三の作品は、こんなに楽しい!素晴らしい!」と伝えたくてあれこれ言ってみようとするものの、いくら言葉を重ねてもわかってもらいないような、なにか言葉を発してもしょうがないような、そんな気分にさせられてしまいます(美術館学芸員にあるまじき発言ですね。申し訳ありません)。ぜひどうぞじっさいに味わっていただけたらと思います。

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*1 横井弘三(よこいこうぞう 1889-1965)
明治22年、長野県飯田市生まれ。大正4年、第2回二科展で樗牛賞受賞、「日本のアンリ・ルソー」として華々しくデビューします。有島生馬は「後世に遺るべき絵」と評価していたそうです。その後、中央画壇と決別し、昭和5年、日本アンデパンダン展を創始するなど独自の創作を追求しました。また既存の技法にとらわれず「焼き絵」など新しい技法にとりくんでいますが、当時の画壇との決別は、画材などの配給が受けられないことを意味しますので、創作をつづけるための彼なりの工夫だったのかも知れません。
彼は作品を売ることはなかったそうですが、支援してくれる方に気前よく(?)作品を差し上げたそうです。原田泰治美術館での展示の多くは、信州新町美術館から出品されていました。

*2 子供之友
名だたる画家たちによって描かれた子供のための絵雑誌『子供之友』は、大正3年に婦人之友社から発行されました。北沢楽天・武井武雄・竹久夢二・村山知義などなど・・・が活躍していましたが、昭和18年に戦争中の用紙制限により、休刊になりました。

  
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