2013 年 9 月 3 日

渡辺隆次『山里に描き暮らす』(みすず書房)

 

渡辺隆次さんのエッセイ『山里に描き暮らす』が、みすず書房から刊行されました。
〈大人の本棚〉シリーズの中の一冊です。

 

渡辺隆次『山里に描き暮らす』(みすず書房)

渡辺隆次『山里に描き暮らす』(みすず書房)

 

 

「この地に住まう者なら、獣とならび、刈っても伐ってもたちまち生えてくる草木の獰猛性に、一目も二目もおくはずだ。そんなことを身に滲みて感じるのも、 三十六年余にわたって山麓の変遷を、日々目にしてきたことにもよるのだろう。寄る年波からつい来し方行く末に思いがゆく。その結果自らの、よって来たる源あたりまでをまさぐり、埒もない多くを書き連ねてきた。八ヶ岳山麓といえば、いまや観光公園化して広く喧伝されるが、それがイメージさせるのとはやや異にした、インドアライフといった向きで、このエッセイ集を編んでみた。」(あとがき)

画文集『きのこの絵本』『山のごちそう』などでエッセイストとしても人気の絵描きが、消費とも生産とも無縁な「居候」としての人生を書き下ろす自由な文集。
みすず書房より

 

 

画家・渡辺隆次さんが、八ヶ岳南麓に暮らし、作品を製作しながら、感じたこと、思い出されたこと…などなどが綴られています。

渡辺さんとは、フィリア美術館の開館以前から交流させていただいていますが、文中、館の様子も触れてくださっています。
(フィリア美術館は1990年9月開館しました)

 

また、挿画として、〈胞子紋〉(きのこの胞子で描かれた紋様)の作品が、二点収録されています。

 

フィリア美術館でも取り扱っています。
サイン付き!

ぜひお手元に。

 


 

渡辺 隆次(わたなべ りゅうじ)
1939年東京八王子に生まれる。武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)本科・西洋画卒業、東京学芸大学養護科修了。1977年から八ヶ岳山麓長坂町のアトリエで制作を続ける。無所属。作品発表は主に個展。1992年より1999年まで武蔵野美術大学特別講師。エッセイストとしても活躍し、主な著書に『きのこの絵本』『山のごちそう』『八ヶ岳 風のスケッチ』(以上ちくま文庫)がある。2000年、武田神社(山梨県甲府市)菱和殿に山梨の草木鳥獣な どを描いた120枚の天井画を奉納、あわせて画文集『花づくし 実づくし―武田神社菱和殿天井画』全3巻(木馬書館)を上梓。2006年には武田神社能楽殿甲陽武能殿の鏡板を手がける。『山里に描き暮らす』(〈大人の本棚〉みすず書房、2013)。
書籍掲載のプロフィールより

 


 

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