2010 年 のアーカイブ

  
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第二次世界大戦下の日系アメリカ人

2010 年 3 月 30 日 火曜日

国立歴史民俗博物館に行って来ました。
小淵沢から野を越え山を越え、大都会・東京をすり抜けて千葉県佐倉市へ、4時間ほどの電車とバスの旅です。
国立歴史民俗博物館は・・・

「原始・古代から近代に至るまでの歴史と日本人の民俗世界をテーマに、実物資料に加えて精密な複製品や学問的に裏付けられた復元模型などを積極的に取り入れ日本の歴史と文化についてだれもが容易に理解を深められるよう展示されています。」公式サイトより

今回おとずれたのは、今年3/16から新しく設けられた第6展示室『現代』を見るためでした。このカテゴリーのなかで、特集展示されている『アメリカに渡った日本人と戦争の時代』に、わたしどもとご縁の深い小平尚道さん*1 のスケッチが展示されているのです。このスケッチは、小平さんの著作『アメリカ強制収容所』(フィリア美術館刊)に掲載されていています。

はからずもフィリア美術館の次回企画展『宍戸清孝写真展 21世紀への帰還 -二つの祖国に架けた橋-』(4/24〜6/20開催)にもつながる「第二次世界大戦下の日系アメリカ人」の背景をより深く知ることができました。そして自分たちの足もとにつづくここ100年(父母と祖父母の時代・顔だちを思い描ける人々の生の時間)、そしてそして古代へと・・・、様々に思いをはせ考えさせられました。
いま、こうしている間にも時は流れているけれど、100年後に生きる人たちは「2010年のこの時」「わたしたちのいま」をどんなふうに振り返るのでしょう。

特集展示「アメリカに渡った日本人と戦争の時代」は2011年4月3日(日)までです。

*1 小平尚道(1912-2005)アメリカ合衆国生まれ。神学者。主な著書に『カルヴァン』『プロテスタンティズムの本質』(玉川大学出版)『アメリカ強制収容所』(玉川大学出版/フィリア美術館より復刊)『老人の祝祭日』(朝日新聞社)等。
日系二世としてアメリカに生まれました。戦前、日本で暮らしていた経験もあります。その際、日系人であることを理由に警察の監視下におかれたことなどからアメリカにもどり、ワシントン州シアトルで第二次世界大戦の開戦をむかえます。
しかし、今度はアメリカのFBIからも監視を受け、約4年間、アイダホ州のドミニカの収容所に強制収容されました。

16世紀型の手動式フイゴのパイプオルガンによるレコーディング.おまけ

2010 年 3 月 29 日 月曜日

3/28の記事で紹介したオルガンは、録音が終わった日に運び出されました。現在、フィリア美術館にはありませんので、ご覧いただけませんよ。
やはり実際の姿を見て、音を聴いてみたくなっちゃいますよね。

で、またまた聴きたい気持ちをかきたてる!?搬出の模様を掲載します。

まず、屋根がはずされたました。

まず、屋根がはずされたました。

パイプが沢山つまった箱の中。紅絹が綺麗ですね。

パイプが沢山つまった箱の中。紅絹が綺麗ですね。

ばらばらに。

ばらばらに。

よっ

よっ

よよよ

よよよ

ぱかっと

よいしょ

ふーーーっ

ふーーーっ

ひとつ、ひとつ、丁寧に分解されて、箱に収められ、運ばれていきました。
搬出は、搬入時の巻き戻し映像を見るかのよう。逆の順番で同じ作業です。
ただ、組み立てのときは「まさにこれから音を出す」緊張感でぴりぴりしていたように思います。そして運び込んでから調整など準備の4日間、ちょうど良い温度設定を探りながら、ビルダーチームは録音時にできるだけ全ての要素が安定した状態になるよう慎重に作業していました。
そういえば搬入時の写真が一枚もありません。そんな場合じゃないムードだったのでしょう。搬出時は、ご覧のようにたくさんたっくさん撮りました・・・。

16世紀型の手動式フイゴのパイプオルガンによるレコーディング

2010 年 3 月 28 日 日曜日

長い長い冬休みの間、いったい何をしているの?とよくお尋ねいただきます。
まあいろいろ、いろいろいろいろあるわけですが、今回はその一つをご紹介します。

2月半ば、貴重な楽器「16世紀型の手動式フイゴのパイプオルガン」の武久源造さん演奏のレコーディングが行われました。

16世紀型の手動式フイゴのパイプオルガンです。

16世紀型の手動式フイゴのパイプオルガンです。

おなじみの草苅オルガン工房のパイプオルガンにくらべると、ずっと小さいですね。
パイプが納められた箱の装飾の金と紅絹、とんがり屋根がかわいい感じ。そして後ろに二つの大きな蛇腹がくっついていて、なんだか昆虫のような(?)生き物みたいな不思議な存在感をかもしています。

制作したのは中西光彦さん。かつて草苅徹夫さんのもとでオルガン製作の勉強をされていました。

オルガンビルダーの草苅徹夫さん(左)中西光彦さん(右)。演奏の合間に細やかに調整します。

草苅徹夫さん(左)と中西光彦さん(右)。演奏の合間に細やかに調整します。

中西さんは「パイプ・鍵盤・ケース・装飾等全ての部品を自作するのが身上」だそうですが、一人でこつこつとこしらえました。
「北イタリア南チロルのCHURBURG(クールブルグ)城に現存するルネサンスオルガンの修復記録をもとに復元した日本で唯一の演奏可能な16世紀型パイプオルガン」で、「16世紀、南蛮船がこれと同じような型のパイプオルガンを日本にもたらし、それが奏でる多彩な音色に織田信長も魅了されたと伝えられて」いるそうですよ。

演奏する武久源造さんは、
「とにかく、音がいい」と絶賛されています。「このオルガンを、ふいご手と息を合わせて弾いていると、私は時を忘れてしまう・・・」そうです。

久源造さん(右)フイゴを担当された辻 康介さん(左)。辻さんは古典を中心に幅広く活躍されている歌手です。

武久源造さん(右)と辻 康介さん(左)。

山口真理子さん(左)と立岩潤三さん(右)。

山口真理子さん(左)と立岩潤三さん(右)。

フイゴの操作は簡単そうに見えてとても大変なのです。
10分弱の演奏中、絶えず左右の蛇腹を交互に持ち上げるのはけっこう重労働。そして楽曲を理解し、演奏者と息を合わせなくてはなりません。

編成を変えて。にぎやかに立岩さんのパーカッションと山口さんのバイオリンが加わりました。

編成を変えて。にぎやかに立岩さんのパーカッションと山口さんのバイオリンが加わりました。

バリエーション豊かな音盤ができそうですよ。
リリースが楽しみですね。製作はコジマ録音です。

左から 辻さん、立岩さん、草苅さん、小島さん、中西さん、武久さん、山口さん

左から 辻さん、立岩さん、草苅さん、小島さん、中西さん、武久さん、山口さん

ビルダーの中西さんの地元・奈良県で、この楽器を用いた武久源造さんの演奏会が6月26日に行われます。
公式サイトをご案内しますのでのぞいてみてくださいね。楽器の詳しい説明や武久さんのメッセージが掲載されています。また、関係者のみなさんのサイトも載せておきますのでどうぞご覧ください。


平城遷都1300年祭 県民活動支援事業
奈良の深奥にふれる
~武久源造 16世紀ルネサンス パイプオルガン演奏会~ http://www.sahoyamasalon.com/event/


武久源造さんの公式サイトは下記です。
鍵盤奏者 武久源造 http://www.genzoh.jp/


「フイゴ衆」として活躍された辻さんと立岩さんのサイトは下記です。

辻康介さんのサイト   http://plaza.rakuten.co.jp/nemotsuji/

立岩潤三さんのサイト   http://members.jcom.home.ne.jp/tanc/


製作のコジマ録音のサイトは下記です。
コジマ録音のサイト  http://www.kojimarokuon.com/


CDのリリースが決まりましたら、こちらでご案内します。お楽しみに。

 

  
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