2010 年 9 月 9 日

海をわたる風、山へ

先日、大野光子さん*1がお越しになりました。
ヌーラ・ニー・ゴーノルさん*2の詩『イムラム/航海譚』を翻訳し、大坪美穂さんに紹介した方です。
この詩から、大坪さんは『海界』シリーズの着想を得ました。

大坪さんが『海界』(高知県香美市立美術館)をはじめて発表した2008年にヌーラさんが来日、各地で講演会やコンサートなど様々なイベントが開催されました。なかでもヌーラさんによるゲール語(古いアイルランドの言葉)の自作詩朗読はとっても素晴らしかった!と大坪さんも大野さんもおっしゃっていました。また、『大坪美穂展・海界』をご覧になったヌーラさんは、自分の詩から呼び起こされて生まれた造形世界に感激しておられたそうです。

大坪美穂さん(左)と大野光子さん(右)

大坪美穂さん(左)と大野光子さん(右)

大野さんの滞在は短い時間でしたが、言葉と造形、あらゆる表現における響きあいについてお話ししました。
最近、出版されたヌーラさんの新しい詩集『ヌーラ・ニゴーノル詩集 』(翻訳:池田寛子 新・世界現代詩文庫 土曜美術社出版販売 2010)も話題に。

ヌーラ・ニー・ゴーノルさんと大坪美穂さんの資料

ヌーラ・ニー・ゴーノルさんと大坪美穂さんの資料

ヌーラさんと大坪さんの資料は、当館ロビーにて閲覧可能です。『大坪美穂展・海界』のリーフレット(香美市立美術館・発行)は、当館売店で販売もしています。

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1 大野光子 おおのみつこ
イギリス・アイルランド文化・文学などを研究、愛知淑徳大学で教鞭をとる。名古屋大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。文学博士。

*2 ヌーラ・ニー・ゴーノル(ヌーラ・ニゴーノル)  Nuala Ni Dhomhnaill
アイルランドの詩人。女性。1952年イングランドのランカシャー生まれ。植民地化された母国の中で困難を強いられたアイルランド語で詩を制作。文学的伝統を誇るアイルランドで現代最高の詩人と評価され、2001年秋にジョン・モンタギューに続く二代目の‘国民詩人’となる栄誉を与えられた。(『ヌーラ・ニー・ゴーノル詩集 ファラオの娘』大野光子 訳編 思潮社 より抜粋引用)

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カテゴリー: 展覧会