2009 年 7 月 18 日

アンキさんのこと

まず、[谷中安規]という文字をはじめて目にした方は、どう読むのかわかりますか?
[たになかやすのり]と読みます!
ただ本人が「ヤナカの墓のアンキです」と自己紹介をしていたというエピソードもあり、彼の作品を好ましく感じる人たちの間では、親しみをこめて「ヤナカアンキ」と呼ばれています。
また、その独特な浮遊感のある作品世界と飄々としたアンキさんの風貌から、内田百閒よりつけられた『風船画伯』という綽名でも知られています。(「画伯の名前は曖昧で、谷中安規だか、安中谷規だか間違う怖れがある。私は混雑を避けるため、秘かに風船画伯と呼んで敬ふ事にしてゐたら、後にはご本人もその名を仮用せられる様である。風船の繋留索が、しょっちゅう切れて、どこかを浮動するのである」内田百閒)

物凄くへんてこりんな伝説のある人で、それらのエピソードも興味深いのですが、とにかく作品が素晴らしいので、ぜひご覧になってくださいね。書籍やインターネットでも紹介されていますが、摺り具合は直にご覧にならないとわかりにくいですからね。
福永武彦はエッセイの中で、谷中安規が装丁した本のことを大事なあまり「小さな子供が遊びに来ても、めったに見せてなんかやるものではない」なんて書いてますが、世代を超えて楽しめる作品だと思います。

アンキさんの作品は物語の挿絵や本の装丁でも知られています

アンキさんの作品は物語の挿絵や本の装丁でも知られています

ところで
内田百閒(うちだひゃっけん)の、「けん」の字は、ちゃんと表示されているでしょうか???「けん」は「門構えに月」と書きますが、パソコンの環境によっては「文字化け」してしまうようです。化けちゃった方、ごめんなさい。

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カテゴリー: 展覧会